なにもしない価値>なにかしたことの価値

この月曜は朱鷺メッセに行った。
「Beauty College」にてDADA CuBiCの植村さんのお話を初めて拝聴する。
印象に残った言葉は「手数を減らす」そして「髪を汚さない」。
髪を必要以上にいじくり回すことを、髪を汚す、と言うことに深く納得する。
最低限の手数で、つまりシンプルなプロセスでこそ美しいフォルムがそこに現れる。
髪をいじることが仕事であった美容師が、なるべくいじらない、そのままであることに至上の価値を置くことのパラドックス
パティシエが冷たく繊細なチョコを扱うときに氷水に手を浸して、そこから温度というものを奪うかのような、
その対象物と同化しそのままであり続けてほしいと願うような、そういう距離感にとても共感する。

植村さんのコムデギャルソンとカルティエのサントス100の取り合わせ、という共通点からなにか親近感をもつ。
サロンで心がけていることは?という問いかけに「もっとかわいくするための貪欲さを持つこと」と植村さん。
そのかわいさの次元ってどこまで高いのだろう。
少なくとも僕らが到底見えないような地点を、双眼鏡なしで見ているような気がした。