職業:雪かき仕事(冬期にかぎる)

paris-rabbit-san2008-01-16

雪がしんしんと降り続く。


空を見上げるにまだまだ雪のストックが雲の上で作られているような気がして
自宅にあった赤いポルシェ(ボクスターよりも開放感有り)に乗り込み
お店まで40分ほどかけてドライブしつつ、街のために歩道を除雪しながらやってきた。


前からやってくる学生が雪をよけながら歩いてきていても、
すれちがうあとから僕が作った道を歩き始めることは、なんとも気分がいい。
まず僕自身が道なき新雪のなかにある方針のもと道を作っていく、という意味で
よき予行練習になったような気がする。


翌日は朝6時半から30㎝ほどの雪をキレイに除雪していく。
その気持ちよさは五分刈りにすべくバリカンを入れていく気持ちよさに
似ている。
2時間ほどかけて、バリカンであらかたキレイにしたあとで
はさみをいれていくように
スコップで取り切れなかった雪を集めていく。


雪かきというと単なる作業のように思われているけど
あれはあれで奥深い。
最初にある空間をどういう順序でどういう動きで進めていくかという
大枠での見取り図みたいなものを考えておく必要がある。


美しい雪かきには美しいプロセスが不可欠なのだ。


それは雪をどこにでも飛ばしていいのであればこれほど簡単なことは
ないのだけれど、隣家に迷惑にならないような場所に
雪を集めていかなければならない。
そんなふうに動いてる除雪機を制御しながら、一定の場所に雪が集まり続けるように
コントロールすることがそう簡単なことではない、ということだ。
だからこそうまくできるととても気持ちがいいものだし、
それをヘッドフォンからボブディランの「風に吹かれて」などを聞きながら
やるとさらに楽しくなってくる。


雪は降ってはほしくないけど、万が一降ってしまったときにたのしく乗り越える術を
持っているかいないか、は人生を生きていくうえでも結構大切な能力であるような気がした。
希望通りにならないことがあまりにも多い世の中だからこそ、そんな姿勢でいたいと思う。