庭ニ花ナクナレド、室内ニ花溢ルル


かわいいおばあちゃんのようなお客様からお花をいただく。
ご自宅で栽培しているようで、それをちょっと遠慮がちにお持ちくださる。
迷惑ではないだろうか、という不安を覗かせながら。


洗練されているカラーのフォルムにおばあちゃんの温かさが添えられ、
最高のコンビネーション。
小振りなブリキのバケツにそのまま投げ入れる。
作り込みすぎていない美しさは作り込まないように生ける。
デザインしないようにデザインする。
それをそっけなく目立たないように置くと、それはそれで目を引く美しさが生まれる。



ルミノさんというお花屋さんからも僕の誕生日が近い、ということで
紫桜色(今命名!)のカラーをいただく。
ケラスターゼのクロマリッシュシリーズの隣に置く。
商品の陳列棚に商品だけを置くのはなんともつまらない。
商品が目指す美意識をそこに表現する必要性を感じる。
陳列棚に物語がほしいと感じる。
そういうものにほんの少し近づけた気がする。
ルミノさん、いつもステキなお花をありがとうございます。


花、という感覚的、あるいは美的価値を軽視することは
そのまま美容価値を軽視することに直結する。
僕はその美しさに敬意を抱き、花を生け続けるサロンでありつづけることを決意する。