勝間さんにフォトリーディングの教えを請う

今飛ぶ鳥を落とす勢いの勝間和代さんにフォトリーディングを教えていただく。


僕は未読のまま受講させていただいたのだけれど、
ポール・R・シーリィ著『あなたもいままでの10倍速く本が読める』(以下10倍本)という本が
今回のセミナーのベースとなっている。

あなたもいままでの10倍速く本が読める

あなたもいままでの10倍速く本が読める

この10倍本を読んでフォトリーディングが習得できるのであればセミナーに10万もの
お金を支払って受講する意味はない。
受講しても習得できないものだから再受講という方も少なくない、ということからも
10倍本だけで習得するのは容易なことではないことがわかる。
いやたとえ容易なことだとしても、ひどく効率が悪く、
フォトリーディング的発想ではそれは選択肢に入らない。
うまくできているのである。
フォトリーディング手法は本の中にしっかりとあるわけだから、
ネタバレということを過度に気にすることなく
思ったことを書きつけさせていただくことにする。



読書を必要な知識・情報の獲得と考えるとき、それはまさに獲物を捕らえようとする
ハンターに例えられる。
つまり本を読むとは森に入ることである。
一連の流れは以下のようなものになる。



なんとなく森に入らない。
森に入る前に猟銃を脇に置き、全身をリラックスさせ、集中力を高める。
獲物が捕獲できる前向きなイメージを持つ。
そして「私はその獲物を捕らえるために、完全に集中している」
「私は獲物を捕らえるためにこの森に入っていきたい」と肯定的に自己断言する。
獲物は何か、そしてそれを捕獲するのにかけられる時間はどのくらいか、
をしっかりと決めてから森に入る。
辺りを見渡してその獲物がいなそうであれば、躊躇することなくすぐに森を後にする。
深入りは危険であるし、時間の浪費でもある。
その獲物がいそうであれば、地図を見ながら森全体を双眼鏡で眺める。
獲物がいそうなポイントをチェックし、小走りで森全体を走り回る。
場所を移動しながら双眼鏡を駆使して全体像をつかむ。
今度はひっかかったポイントを中心に小走りよりもすこしスピードを落とし、
獲物の存在を強く意識しながら滑らかな動きで森を駆けめぐる。
最後に地図に今回の狩猟に際してをポイントを書き込み、この森に対する理解を
深め、次にこの森に足を運んだときには、より素早く森の構造を把握し、獲物を
捕らえることができるようにしておく。


ひとはそうやって狩猟というテクニックを向上させていく。
獲物がいそうな森とそうじゃない森を判別できるようになる。
そして1日あたりの捕獲量を最大化し、取りすぎた獲物を蔵にストックしておく。
それも腐らないように、すぐに取り出せるようにしながらストックしておく。
だから森の数は多ければ多いほうがいい。
狭く、少ない森を丁寧に歩き回り、そこから完全に獲物を捕りきることは目的ではないし、
獲物以外のちいさな、それでいて美しい花に目を奪われることも目的ではない。
獲物を効率的に捕って、夕飯をゆっくりと家族で食べることが目的であるし、
獲物を他の部族のものと交換していくこともその目的のひとつかもしれない。



過度の比喩は話をわかりづらくする、ということはあるかもしれない。
書きながらそう思いつつ、書き続けたわけだけれど・・。


こんなことも言われておりました。


今までの読書が100分で100%理解することを前提にする読書だとすると、
フォトリーディングでは20分で80%理解することを目指す。
そうすることによってかつての4倍のスピードで必要な知識や情報を得ることができる。


全体を見てから部分を見ていくことで文章に「デジャブ感」をつけていく。
そうしていくことで短い時間で効率的な理解に至ることができる。


なかなかぐっとくる一説ではありませんか?


ここで重要なのはあくまでも20分で80%を目指すものであって、
50分で100%を目指すものではない、ということだ。
あと自分の読書の目的を考えれば、100%理解することに意味はない。
(読み切った、という満足感はあるかもしれないが)
必要に応じて必要な分だけ限られた時間の中で読んでいく、というわけだ。
読書は情報処理のツールであって、読書時間にひたる愉悦の時間的価値はかなり控えめだ。
僕としてはそこの使い分けが重要であるような気がした。


では次に、セミナーに出る意義について考えてみることにしたい。
1365円の「10倍本」を読むのと105000円のセミナーに参加するので
桁2つの違いがあるのかどうか、ということについて。
(ちなみに今回は勝間さんが認定トレーニングということで20%ほどの料金で体験できました)


僕はあるとまず結論づける。
以下にその理由を列挙してみよう。


○これだけ集中した時間を確保してフォトリーディングに対して取り組むことはできない。
○一緒に受講するメンバーとの意見交換や質疑応答をによって細かい疑問点が解消される。
○受講後メンバーとのつながりを持ち続けることによって
 フォトリーディングを継続していくモチベーションが増す。
○お金と費用をかけることによって習得したい、あるいは、せねば、という気持ちが高まる。


やり方がわかる、というのとやり続けて習得する、ということの間には大きな違いがある。
その違いに2桁の違いを見る、と、そういうわけだ。


とはいうものの、僕はこれを受講してから教えていただいた通りの
フォトリーディングシステムによる読書を行っていない。
行ったにもかかわらず、やり方がわかる、で留まってしまっているわけで
これではセミナー受講の必要性に対する説得力がほとんどなくなってしまうわけだけれど、
まだまだ始まったばかりではないか。
もう少し様子を見させてくださいよ。