アイデアのもと

たまに意味のわかんない、まとまりきってないことを書こうかと思う。
こういうのは、やるべきことがあればあるほど書きたくなるたぐいのものなのだけれど。


西沢立衛さんの書いた『美術館をめぐる対話』がおもしろい。

美術館をめぐる対話 (集英社新書)

美術館をめぐる対話 (集英社新書)


ホワイトキューブとコンバージョン(転用)


ホワイトキューブとは、今日の美術館の多くで見られる、白いニュートラルな壁で囲まれた矩形(クケイ)の展示室。
歴史的には、1929年に開館したMoMAニューヨーク近代美術館)が採用したのが最初である、のだそうだ。


ホワイトキューブという模範回答に対するコンバージョンは茶道における「見立て」を想起させる。


もともとある機能のために一生懸命つくられた建物から、もともとの機能が出ていって
何のためにそうなったかわからない荒唐無稽な、でもしっかりとした空間が残る。
(52頁:青木淳氏の発言より)


あらゆる空間が場の力を持って、美術館へとコンバートされてきた。
発電所(テート・モダン)や小学校(P.S.1)やナビスコの巨大工場(Diaビーコン)。
展示という行為を先取りして考えていては生まれない空間がコンバージョンによって生まれる可能性がある。


西沢さんもこんなふうに言っています。

以前、ニューヨークで美術館やギャラリーを見学していたときに、現代美術館の設計という点で、
ある種の難問みたいなものを感じました。
ニューヨークには、倉庫を改装したギャラリーが多くあります。改装というよりも、単に内装をはがして裸の空間にし、
アートを置くだけです。
どこか、建築デザインにはなにも期待されていない感じがしました。
(中略)内装がない、建築的・造形的作為がない空間、どんなに乱暴に使ってもかまわないようなラフな空間、
それがニューヨークではある理想的な空間の姿になっているのかな、と思いました。



たとえば逆に、美術館をコンバートするとしたら、現代において何がふさわしい空間だろうか、ということもまた考えます。




金沢21世紀美術館にて、

http://www.d-department.com/event/event.shtml?id=8328699373174460

金沢21世紀美術館 デザインギャラリー
Only honest design can be recyclable.
本当のデザインだけがリサイクルできる

日 時 2010年10月9日(土)〜2011年1月30日(日)10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
月曜日休場および12月18日〜1月1日休場 1月2・3日は17:00まで
場 所 金沢21世紀美術館 デザインギャラリー
参加費 無料 


とても実験的な展示だと思いました。
なんとも思わない人が大半ではないか、とまで。


リサイクルというゴミが製品に変わるというプロセスにはきっと創作に近いニュアンスがあるのではないか、
とも思うのです。
デュシャンのレディ・メイドのような。
彼(R. Mutt)は日用品を選び、それを新しい主題と観点のもと、その有用性が消失するようにした、のだとすると
その逆の流れ(有用性が復活する)をぼくらはリサイクルと呼んでいる、のだとすると、
その双方にアート的な要素があることは間違いないのではないか、ともまた。




森美術館館長の南條さんのマネジメント的戦略的提案にもふむふむとさせられました。

今日、僕は森美術館の関係者の方々を東京から十和田に連れてきたんですよ。彼らは要するにアートが好きな方々なんだけれども
その人たちに十和田(十和田市現代美術館を含めて)に行きましょうと言ったときに、じゃあ、そこで何が食べられるの?どこに泊まるの?
ほかに何が見られるの?ショッピングは何があるの?というふうに聞いてくるわけです。


で、そのときにパッケージとして提示するってことも美術館としての仕事であるとも言っています。


で、さらにもう一度、、美術館をコンバートするとしたら、現代において何がふさわしい空間だろうか、ということもまた考えます。





何かいい案はありませんか??