僕の鞄がぱんぱんなわけ。

本を同時並行的に読む、いわゆる併読というものをするわけですが、
今、その冊数が増えすぎて鞄のチャックが閉まらない、とくる。
なにせ、鞄というものはいかなる美しいデザインであろうとも、ぱんぱんでありながら、
その美しさを保つ、ということはかなり難儀なはなしなのです。
これは美しく、且つ、恰幅のいい女性が存在するはなしとは違ったはなしなのであります。


それと本が傷みやすい、というのもデメリットがあります。
さらに本日、北書店さんより注文していた本が入荷しましたよ、というお電話をいただき、
はいはい、近いうちに取りに行きますね、と言ってしまった以上、取りに行かないわけにも
いかないわけですが、もはやこの本は分厚すぎて、1冊でもぱんぱんになりうる大物なので、
これまた厄介なはなしなのであります。(誰が600ページを超えるハードカバーを持ち歩くというの)

夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル

夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル

近著『切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話 』がおもしろかったから
注文したわけですが、厚みとスケールが違いすぎるので、すこし困っています。



さてさて、今入っている4冊はと言いますと、これまたヴァラエティに富んでおりまして、
文藝春秋3月号』芥川賞受賞作2作全文掲載

文藝春秋 2011年 03月号 [雑誌]

文藝春秋 2011年 03月号 [雑誌]

朝吹さんって川上未映子さんとかなりタイプが違うんですけど、とても魅力的に映ります。
たんなる文学少女って感じよりもむしろ、野蛮なんだけど繊細で知性的、
というやっぱり典型的なギャップ理論に着地するのかもしれませんがね。
もちろんお家芸として名高い、西村賢太さんの私小説も、自分の「指針書」(の心の情のとこ)を
書くために読んでおきたいのです。


それから
『思想地図β』東浩紀さん責任編集

思想地図β vol.1

思想地図β vol.1

これが売れまくってる日本ってかなり信頼できる気がしてなりません。
もちろん、僕のあたまでは理解できないので、ぱらぱらとしか読んでおりませんが。
(じゃ、なぜ買うの??とは言わないでほしい。僕はバカだからですよ、としか答えられないから)


村上春樹 雑文集』

村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集

もちろんどっちかって言えば、インタヴュー集『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』のほうが
スリリングではあるのですが、なんとなくぱらぱらするにはこの雑文集もってこいなのですよ。
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです


最後が
『かかわり方のまなび方』西村佳哲さん

「かかわる」ってことがどういうことなのか、ということに興味がある人は絶対読んだほうがいいと思う。
ハウトゥ本でもないし、マニュアル本でもないし、読んで明日から実行できるかどうかっていう視点だったら
むずかしいけど、じんわりじぶんにしみてくるような考えだったり、やり方だったりを望む人にはたぶん後悔しない
1冊になるような気がします。
まだほとんど読んでないけど。(これまでの著作を読み続けると、そんな気分になるときってありません??)


こんなふうに4冊も挙げると、本の内容はわかんなくても、自分の考えてることとか、考えていきたいこととか、
そういうのはなんとなくわかるもので、それは本棚の本ほとんど読んでないや、と思いながら背表紙を見ていくと
あぁ、僕はこんなことに興味を持ち続けてきたわけだ、ということだけはわかる、というのにとても似ていますよね。
というような、本は読まなくてもオッケーみたいな自己弁護をすることはあんまりフェアじゃないけれど、
僕の鞄にこの4冊が入っていることはまぎれもない事実なのです。


そして、朝日新聞朝刊とiPADと『料理通信』の最新号も入ってた。
うすっぺらいから、あんまり気づかなかったけど。